大学入試直前講座 『小論文のツボ』 其の十五
〈 「二項対立」の作り方 〉
センター試験も近づいてまいりました。
そこで、センター試験後の慶応大学、国立二次、後期にむけて、小論文のカンタンな小論文マニュアルを書いていこうと思います。
今回は、意見文のロジックの王様、「二項対立」です。
現代文でこの論理が出たら、ラッキー!
なぜなら、自分で「二項対立」の枠組みをしっかり組み立てて小論文を論じきることができる人、
読解するのは、メチャメチャ速い、なおかつ、正確。
だから、受験で小論文がない人も、自分で組み立てられるようにしておくとよいですね。
【二項対立】
1.
まず、二項対立の枠組みを作ります。
比較、対照する「二項」を決めます。課題が与えられているなら、それにしたがえばいいですね。
次に、「どのような点」について比較、対照するのか、キーワードを決めます。
キーワードとは、
「西欧…Aである」⇔「日本…Aではない」と、対立項を他色分けする働きをする語、「A」です。
「A」というキーワードで二項を比較検討して、それぞれの分析をします。
表にしてみるとわかりやすいですね。
西欧 ⇔ 日本 (二項) | |
アイデンテンティティー … | 明確 ⇔ 不明 (分析1) |
コミュニケーション … | 自己主張 ⇔ 相互配慮 (分析2) |
(キーワード) |
2.
第一段落に「導入」をおく。社会のニュース、身近な体験など、本文の「問題点(テーマ)」を導き出す糸口、前フリです。課題文が与えられている場合は、課題文の要約をおきます。そして、それを糸口として、「問題点(テーマ)」を明示します。
例)「グローバル社会において、日本人はどのようにするべきか。」
3.
第二段落で、上の表をもとに批判する対象を分析していきます。
例)「日本人はアイデンティティーが不明、コミュニケーションが相互配慮的。だから、閉鎖的で親密なグループを形成しがち。」
4.
第三段落で、「それに対して」「しかし」など、対立関係の接続を明示し、上の表をもとに肯定する対象を分析していきます。
例)「西欧人はアイデンティティーが明確で、コミュニケーションにおいて自己主張をはっきりする。だから、開放的で、誰ともつきあう。」
5.第四段落で、要約して結論。「以上のことから」「したがって」「つまり」など、接続を明確にすること。
例)「グローバル化がすすむなか、日本も明確なアイデンティティーをもつべきだ。」
これで、600字ぐらいならカンタンに書けます。800字以上なら、上の「日本⇔西欧」の分析の後にそれぞれ具体例を入れてやるだけです。
【小論文のコツ】
・接続を明示する。
・指示語で前後をつなぐ。
・「二項対立」を展開する場合、上記のように「明確⇔不明」「自己⇔相互」と、対照(コントラスト)を明確にすること。
「主観⇔客観」
「特殊⇔普遍」
など、対義語を意識的に用いるとよいでしょう。
・「問題点」と「結論」をきちんと対応させること。
ねっ、カンタンでしょ?
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接続の明示、よいです。
「AまたB」
という並列グセがありましたが、卒業!
弱点を一つ一つ、乗り越えています。
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一人一人にしっかり手をかける、
添削だからできる演習なのです。
その利点を十分にいかしていますね。
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