大学入試 基礎講座 『現代文・小論文の基礎』 其の十六

「接続関係」 〈話題転換〉

自分が論じている話題を転じる時に、「ところで、」を使います。
口語表現なら「さて、」江戸っ子なら「時に、」なんて使うとオシャレですね。

話題A。ところで、話題B。…話題転換

小論文の問題点は一点、それに対する結論は一点、と述べてきました。
ですから、話題を転じるのはよいのですが、問題点が二つになってはいけません。
問題点が二つあるなら、別の論文として論じなくてはいけません。

では、どのように話題転換を用いるべきか。

「論」とは、すなわち「すじみち」、一本の糸のようなものです。
話題を転じても、その一本の糸を断ち切ってはいけません。
せっかくそこまで論じてきたことが台無しになってしまいます。
その糸を断ち切らないためには、話題を転じても、そこから何か共通点を引っ張り出してくることです。

日本=

ところで、アメリカ=A´

日米=A(共通点の抽出)

「ところで」で話題を転じても、意見内容「A」は共通します。
よって、「A」という意見はそれだけ普遍性、妥当性をもつ、つまり、説得力をもつということです。

話題転換を用いて共通点を抽出、というのは、受験生には少し難しい、高等テクニックですが、使いこなせばかなりポイントが高くなりますね。

それなのに、字数を稼ぐために、いたずらに話題転換を用いている受験生のなんと多いことか…トホホ。
えてして問題点が二つになって、「論」はあさっての方向にむかってフェイドアウト、なんてことになります。
字数稼ぎのために話題転換してはいけませんよ!

現代文の虫食い問題にもよくなります。
だいたい段落のアタマにきますが、前後で話題が変わっていたら、「ところで」を入れてください。