大学入試 基礎講座 『現代文・小論文の基礎』 其の九

「接続関係」 〈原因・理由/結果の応用〉

前回、「原因・理由/結果」の関係の主要なパターンをたどってみました。
では、実戦に即して考えてみましょう。

現代文、古文、漢文とも、傍線部の原因・理由を問う設問はよく出題されますね。
そこで前回やったパターンをあてはめてみましょう。

設問はすべて「傍線部の原因・理由の説明」が求められているものとします。

【現代文】

●原因・理由 「だから」「したがって」「~ので」「~から」「~よって」 結果

●結果 「なぜなら」「その背景には」 原因・理由

※接続助詞の「~て」は、単純接続で、事態の前後関係、単純接続(=and)の表現ですが、原因理由を表すこともできます。
「コラ、なんで遅刻したんだ?」「電車が遅れ…」なんて、よく使っているでしょ?

それと早稲田やセンターの要約系の問題、選択肢の要約文に「原因・理由/結果」の関係があったらよくよく注意してください。
本文も同じ関係になっているか確認すること。

【古文】
●原因・理由 已然形+ば結果

※立教大学なんかがよく出していますね。二、三〇字の記述にしたりして。
国立二次でもよく問題になります。東大などでもシンプルにきいてきます。
「古文で原因・理由を問われたら『已然形+ば』を探せ!!」というのは受験生、鉄則中の鉄則です。

【漢文】
●原因・理由 +○スレバ 則(すなは)チ 結果

●結果 何者(なん)トナレバ・何則(なん)トナレバ 原因・理由

※「何者」「何則」をもとに原因・理由を問うのは、ちょっとシブすぎかもしれません。
選択肢問題でよみの問題あたりが妥当なところでしょう。
でも、早稲田大学なら選択肢ナシでよみを問われても文句は言えません。
漢文においては、「原因・理由を問われたら『レバ則』を探せ!!」が鉄則です。早稲田レベルになるともう一ひねり入って虫食い問題。
「原因・理由。( x )結果」、で、選択肢にチョロっと「則」がある、という問題を出しています。
つまり、空欄の前後が「原因・理由/結果」の関係になっていることが読解できていないと入れられないんですね。
その上、空欄前後が白文だったりして…。

以上、「原因・理由/結果」の出題パターンをみてきました。
これらはあくまで判断の一助、頼るべきは文脈です。
現代文・古文・漢文ともに、多様な文脈をワシワシ読み込んでいく姿勢が大切です。

ちなみに、早稲田大学など、難関大学を目指す方は、現代文、古文、漢文ともに百題ぐらいが演習量の目安でしょう。
夏も過ぎました。過去問、模試、塾予備校のテキスト、問題集、と、これから冬まで、ガンガン演習量をこなしていってください。