大学入試 基礎講座 『現代文・小論文の基礎』 其の八

「接続関係」 〈原因遡及(そきゅう)表現〉

「だから」「したがって」など、「原因・理由/結果」をつなぐ表現をたどってきました。
今回はその反対の展開、「結果」から「原因・理由」へとさかのぼっていく(遡及する)表現です。

結果。なぜなら 原因・理由・根拠~。

「頭括型=アタマで括(くく)るパターン」や「双括型=アタマとシッポで括るパターン」に有効な展開の仕方です。
最初に結論を述べて、以下の文脈でその背景、原因を考察していきます。
自然科学系(いわゆる理系)、社会科学系(いわゆる社会科目系)の論文によく見られます。

他方、「起・承・転・結」で展開されることの多い「尾括型=シッポで括るパターン」では、根拠・原因をうけて「だから」「よって」「したがって」で、結論というのが典型です。
人文科学系(文学や思想系)によくみられます。

【尾括型】【双括型】

・結論。なぜなら 原因・理由・根拠~。

【尾括型】

・原因・理由・根拠。 だから・したがって 結論~。

まあ、一概にはいえないでしょうが、大切なことは、どちらのパターンでも自分の意見(結論)を展開できるということです。
「原因・理由と結果」というのは論のカナメ、「Aだし、Bだし、Cだし、Dだし…」といった、受験生によく見受けられる、字数かせぎのためだけの冗長な展開を防いでくれます。