大学入試 基礎講座 『現代文・小論文の基礎』 其の十
「接続関係」 〈否定/肯定〉
自分が意見「B」を主張したい時、
「Bだ。Bだ。Bなんだ!」
と、くりかえしたくなるのが人情というもの。
でも、意見文においては「独断的意見」とみなされ、説得力に欠けてしまいます。
「他の意見Aだってありうるじゃないか。」
とツッコミたくなってしまいます。そこで、
「A(批判対象)。しかし、B(自分の意見)」
なんて逆接をもちいて、カウンターを入れてやるわけです。
「A」というほかの意見もふまえた上で、「B」という自分の意見を展開するわけです。
意見文において逆接が重要だというのはこういった理由によります。
また、逆接の後はイヤでも強調されますから、自論「B」を明確にする上でも重要なのです。
似たような働きをするものに「否定/肯定」の表現があります。
「A(批判対象)ではなくて、B(自分の意見)」
とふることで、自論を客観的なものにしつつ、強調していきます。
●逆接 … 「AしかしB」
●否定/肯定 … 「AではなくてB」
1.独断的意見を防ぐ。
逆に言えば、自分の意見がより客観的、普遍的になる。
2.自分の意見が明確になる。
だから、評論文では必ずといってよいほど用いられます。
また、小論文においては、ぜひとも使えるようにしておかなくてはなりません。
「A」と「B」は対立し、「B」が強調されます。
「A(批判対象) ⇔ B(自分の意見)」
対立 強調
「A⇔B」ですから、「A」「B」は対義関係になります。
「普遍⇔特殊」「客観⇔主観」って、以前やりましたね。現代文の説明問題や虫食い問題によくなるところです。
くれぐれも傍線部の前後をよくみること。