大学入試 基礎講座 『現代文・小論文の基礎』 其の十一

「接続関係」 〈いいかえ・要約〉

ようやく涼しくなってきましたね。

九、十、十一月は模試の季節。
かしこい受験生は場当たり的に模試を受けてはいけません。きちんと模試の計画をたてましょう。
人それぞれでしょうが、月に二本ペースが目安でしょう。で、受験したら、必ず中身を見る、復習すること。
合格可能性や偏差値はあくまで目安にしかすぎません。
オミクジじゃないんだから、成績が悪いからといってハナをかんで捨ててはいけません。

1.「やったよ、出たよ、点数にしてるよ」これが理想。

2.「わからなかった、解答解説読んでもわからん」これは時間内で点数にできる問題ではなかったということ。
しがみつくべき設問ではない、捨てるべき設問です。

3.「やったよ、出たよ、点数にできなかったよ」「この問題に時間注げば点数にできたのに、時間配分まちがえた!」ここがポイントです。
これらの点数が何点になるか勘定しましょう。

残りの数ヶ月はこの「3」の点数を拾うために全力を注いでください。
「3」の点数を自分の点数にたしてボーダーラインを越えるようなら、合格可能性が低くても、合格の可能性は十分にあります。
残り数ヶ月、「しり上がり」の波に乗れるかどうかが合否の分かれ目になってきます。

さて、今回は論文においては、やはり重要な役目をはたす「いいかえ・要約」の表現をたどってみましょう。

「すなわち」は前後がそっくりそのままイコール関係、ただの言い換えです。
「つまり」も言い換え関係ですが、「詰め」ているわけですから、前の内容の要約になります。

A すなわち A´ … A=A´(単純ないいかえ

A つまり A´ … A→A´(前の内容の要約

まあ、どっちも「いいかえ関係」でひとくくりにしてよいと思いますが、厳密に言えば上記のような違いがあります。
虫食い問題によくなりますね。たまに選択肢の中に「すなわち」「つまり」二つとも入っているものがありますが、それはいかがなものかと私は思いますが…。

小論文においては、

「具体例」「その分析」→「つまり、自分の意見」

と展開できると、とてもきれいな「論」になります。ぜひとも使いこなしてほしい表現です。