大学入試直前講座 『現代文のツボ』 其の十二
「早稲田大学 評論用語の基礎知識⑤」 〈言語論〉
早稲田大学の国語についてみてきましたが、言語論、文化論もよく出されるネタですね。
これらの中で「コード」「コンテクスト」といった用語が出てきても、早稲田は注をつけてくれません。
ならば、あらかじめ用語としておさえておく必要がありますね。
コード(規範=きはん)…情報を表現する記号の体系。
情報を伝達する際の変換の規則。
特に言語論においては、言語表現を規定する二つの側面「辞書(ある語の意味を規定する)」「文法(語の並べ方を規定する)」をさす。
言葉をめぐる社会の約束ごと。
コンテクスト(文脈・状況)…文章の前後の脈絡。周囲の状況。
特に言語論においては、「コード」と対比的に用いられる。「コード」が言語の意味を機械的に規定(いつでもどこでも意味は変わらない)するのに対して、「コンテクスト」は、言語の担う意味をその時々の状況や文脈で変えていく。
見ず知らずの人に「バカ」といったらケンカになります。
それは「辞書(コード)」どおりの意味しか伝わらないからです。反対に、仲のよい友人同士で、「オマエ、バカじゃん」「なんだ、コノヤロー」とケンカになることはありません。
コンテクスト(日常生活の大部分)を共有している二人の間では「俺たち、お互いにバカと呼び合える仲だよな」ということを意味しているのです。