大学入試直前講座 『現代文のツボ』 其の八
「早稲田大学 評論用語の基礎知識①」 〈批判用語〉
最後のツメに、評論用語を確認して本番にのぞんでください。
立教大学なら注をつけてくれますが、早稲田大学はいっさいつけませんよ。
評論とは、世間であたりまえとされているものにツッコミを入れ、問題が見過ごされているところに問題を提起していきます。
である以上、どうしても批判用語がでてきますよね。
批判用語
・自明(じめい)性…説明するまでもなくおのずから明らかなこと。わかりきったこと。
・先験(せんけん)的(=アプリオリ)…経験に先立つ認識、概念。
経験しなくてもすでにわかりきっていること。
・形骸(けいがい)化…中身が失われて、形だけになってしまうこと。
・恣意(しい)…好き勝手にすること。気ままで自分勝手な考え。
・放恣(ほうし)…わがままで好き勝手にすること。
「自明」はツッコミを入れるときによくつかわれますが、自分の意見、結論を強調するためにも使われます。
「~(論証)。以上のことから、今、我々に求められているのは、共生の原理であることは自明である(結論)」なんていうのもアリです。
では、具体的に批判用語の展開例を見てみましょう。
批判用語の展開例
・一般的意見…「自明とされている」「先験的に正しいと考えられている」
↑
「しかし」〈逆接〉
↓
・ツッコミ…「はたして本当にそうであろうか」
・自分の意見(論証・結論)
「自明」「先験的」といった批判用語がくると、その後で逆接していく場合が多いですね。
先の展開を読むことができるし、また、早稲田大学レベルになるとこれらの語、あるいはその後の接続関係を空欄補充問題にしたりするので注意が必要です。