大学入試直前講座 『小論文のツボ』 其の十二
「国立大学後期小論文 立論のポイント⑦」 〈導入と問題提示〉
まず、本文全体の前フリにあたる導入部について述べましょう。
ここはリキを入れるところではありません。
とはいえ、字数かせぎのためにダラダラ書かないことが大切です。
導入
・課題文が与えられた場合…「筆者は~という問題点について~ということを根拠として~と結論している」と、課題文の要約を置く。
「問題点」「論証(結論の根拠)」「結論」の三点をコンパクトにまとめる。
・テーマが与えられた場合…そのテーマについて一般的に言われていること、そのテーマにまつわる社会的、歴史的事件、または自己の体験や広く知られている格言などを置く。
・資料や図が与えられた場合…自分が論じようとするテーマに即して資料や図から読みとったものをあげる。
「Aとも読めるし、Bとも読めるし、Cとも…」と、自分が論じるテーマと関係ないのに、読みとったものをダラダラ羅列(られつ)してはいけない。
導入部は、問題点を引っぱり出すタタキ台ですから、自分が論じる問題点にあわせるとよいでしょう。
なんでもかんでも課題文の要約文を書けばよいのだろう、図・資料から読みとったものを書けばよいのだろう、といった態度はNGです。
さて、導入部で前フリをしたら、そこから問題点(テーマ)を引き出します。
これから論じていく問題を「点」にまで絞り込んだ方が自分も論じやすいし、読者にもわかりよいですね。
導入部の「A」を問題点とする場合、「Aはなぜか」と問題点を置いたら、以下、「Aの原因理由」を考察していきます。
「Aはどうしたらよいのだろうか」と問題点を置いたら、以下「Aの方法手段」を考察していきます。
「Aは本当なのだろうか」と問題点をおいたら、以下「Aの正否」について考察していきます。
問題点は論述の羅針盤
問題点を明示したら、以下の論述はすべてその結論に向かいます。
決して外れてはいけません。