現代文・小論文のネタ 其の一

〈地球温暖化〉

受験生、最後の最後は演習量の勝負、現代文・小論文に関して言えば、どれだけ多様な問題点(テーマ)について考え抜いたかが勝負になります。

「でも、読書しているヒマがありません」

当然、聞こえてくる声です。だから、現代文の演習量をガンガンかせいでネタを増やしていくのです。現代文の読解だって「プチ読書」ですから。

「この問題点、前に読んだこと(書いたこと)ある!」

と本番でいえるようだといいですね。

で、あくまでその「補助」として、現代文や小論文によく取り上げられるテーマについて、日々の新聞や雑誌、ブログからホットなものを寄せ集めていきましょう。受験生のみなさんが、勉強の合い間にサクッとつまめるよう、口当たりよく編集していきます。まずは、ホットすぎます、「地球温暖化」について…。本日の『日本経済新聞』より抜粋!

千葉商科大学教授 三橋規宏先生
「人口減の『追い風』生かせ」

日本の目標明示されず

 今年二月発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第四次評価報告は、温暖化の原因が「人的行為の結果」とほぼ断定し、現状を放置すれば、温暖化による気候変動は近い将来、制御不可能な段階に達すると警告している。早急に二酸化炭素(CO2)を中心とする温暖化ガスの排出削減対策の実行が求められる。

 ドイツのハイリゲンダムで開かれた先の主要国首脳会議(サミット)で、当時の安倍晋三首相は、二〇五〇年までに「世界の温暖化ガスの排出量を半減しよう」と各国首脳に呼びかけた。安倍提案は、来年夏の北海道・洞爺湖サミットで検討されることになった。

 だが、安倍提案には、日本の(二〇・・・筆者補注)五〇年の目標値が明示されていない。世界全体の目標値を掲げながら、肝心の日本の目標値を明らかにしないことは、責任逃れとして受け取られかねない。しかも基準年は「現状」というあいまいな表現で、世界の常識になっている一九九〇年基準を避けているのもこそくな印象を与えかねない。さらに(二〇)五〇年の日本の姿についても触れられていない。

(二〇)五〇年の日本は、人口が大幅に減少した社会で、現在とはかなり違った姿になる。その周辺年の経済成長率も今よりずっと低くなっているはずだ。そうした急激な日本社会の構造変化を考慮すれば、現在と比べ、温暖化ガスの排出量は大幅に減少すると予想される。

具体的には、(二〇)五〇年までに、(一九)九〇年比で約七〇%削減(CO2濃度を安定させ、温度上昇を二度以内に抑えるために必要とされる削減率)が可能であり、これを日本の目標値として掲げるべきである。(以下、割愛させていただきました)

『日本経済新聞』2007・9・26、(水) 「経済教室」欄より

三橋先生のご意見の面白いところは、「人口減と経済成長率の減速」という、日本の将来について、深刻な社会問題とされているものを逆手にとって、温暖化問題に役立てようという前向きな点です。

ものごとにはだいたい「良い面、悪い面」の両側面があるものです。えてしてマスコミ、政治家は、大衆うけする一面にだけスポットをあてて騒ぎ立てる傾向があります。

「毒をもって毒を制す」

マイナスと考えられている要素も、観点を変えると有効だという、とてもバランスの取れたご意見。その「観点のシフト」の仕方は受験生も参考にしたいところですね。

ちなみに、このてのテーマが小論文で出されると、受験生は必ずといってよいほど「国民ひとりひとりが自覚を持って地球温暖化問題に取り組まねばならない」と、「言語明瞭意味不明」な結論を最後にとってつけたように書いてきます。上記の三橋先生の意見と比べるのは酷かもしれませんが、「国民ひとりひとり」系の意見って、結局何も言っていないに等しいということがわかりますね。

チラッ、となりの答案見れば、ホラ、お隣さんも書いている…ってやつです。