大学入試直前講座 『現代文のツボ』 其の四

「早稲田大学のひっかけパターン④」 〈分析論/当為論〉

早稲田大学を受験しようとしているキミ、国語に勝負をかけようと思っているアナタ、言語論における「コード」「コンテクスト」、人類学における「カオス」「コスモス」等、注釈なしでも読めますか?
早稲田大学はこれらにいっさい注をつけてくれません。
しかも、本文全体のキーワードになっている可能性、大ですよ。
わからない人は急いで「評論重要単語」みたいなものをひととおりたどっておいてください。
『国語便覧』の後ろの方にもくっついています。
このシリーズでも後日、まとめましょう。

さて、「ひっかけ選択肢」を消すネタをたどっていますが、これは本当に使えるネタだと思いますよ。
早稲田大学がよくやるひっかけです。
まず、「当為(とうい)」をしっかりおさえてください。「当」は漢文再読文字、「まさに~べし」、「為」は「なす」、「当為」とは「まさになすべし」と読みます。
「当然~するべきだ」という意味になります。早稲田大学は、ただの「分析論」を「当為論」にすりかえてひっかけたりします。

・分析論…対象を分析し、ただ事実を述べているだけ。

・当為論…「~べきだ」「~ねばならない」「~する必要がある」といった主張。

「地球温暖化の背後には二酸化炭素排出量の増加があると考えられており、先進諸国では現在、二酸化炭素排出量の規制が議論されている」といった本文に対し、設問が「本文の内容として正しいものを選びなさい」、選択肢が「二酸化炭素を削減しなければならない」とあったら×、というもの。

ただし、早稲田大学、特に法学部などは、本文の意見を敷衍(ふえん=押しひろげる)させる、筆者の意見の延長上に出てくる意見を選ばせる場合もあるので、よくよく設問の指示には注意しましょう。
早稲田は一筋縄ではいかんから難しいし、挑戦のしがいもあるというものです。

いずれ、本文、設問、選択肢に「当為」的なものがあったらよくよく注意が必要です。
自分で「当為マーク」を作っておいて、チェックしておくというのもテですね。